東京オリンピック(五輪)をみんなで一緒に応援したい。でも無観客開催だし、パブリックビューイングもないし、何よりこのコロナ禍だし。気持ちの行き場を失った人たちが、巣ごもり生活での体験を生かして「バーチャル観戦」を楽しんでいる。
サッカー男子の日本がニュージーランドにPK戦の末に勝利した7月31日夜。ユーチューブのあるチャンネルでは、おっとりしたアニメ声が流れていた。
「準決勝進出! 本当に勝って良かった~」
「PK戦、みんな落ち着いてたよね。ばんざ~い」
声の主は「アニメ大好きな12歳」を名乗る《光(ひかり)りりあ》。体を揺らしたり手を振り上げたりする。2年半前から活動するCGキャラクター、いわゆる「バーチャルユーチューバー(Vチューバー)」だ。
参加者は、テレビ中継の映像を見ながら《りりあ》の実況を聞き、プレーの感想を書きあうなどして盛り上がる。この日の視聴者は最大で90人ほど。PK戦で4人目の吉田麻也選手が落ち着いてゴールを決めて勝利をつかむと、「キターーー!」「ベスト4!」などのコメントが乱れ飛んだ。
運営するのは、関東地方に住…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル