午前2時。人けのない住宅街をぶらぶら歩き、闇夜に浮かび上がる街灯をスポットライト代わりに、独り盆踊りを踊る。
「過去の死者たちの営みの痕跡をすくい上げ、風景を体で確かめるために踊る。風景を供養することで、描くための準備ができる」
そうして描き上げた、秋田市新屋地区の風景をモチーフにした木炭画「風景の拍子」(縦130.3センチ、横388センチ)が、若手作家の登竜門とされる「VOCA展2024」で、最高賞のVOCA賞に選ばれた。
街を歩き、踊り、描く――。一連の流儀は、芸大で学んでいた3年生のころにさかのぼる。
アメリカで打ちのめされた経験がきっかけに
当時、米・ニューヨークで憧…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル