YMOが突き詰めた疑似日本人像、「なりきれなさ」に託した思い

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聞き手・宮崎陽介

 テクノポップで音楽シーンを駆け抜けたYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)。メンバー3人のうち、高橋幸宏坂本龍一の両氏が亡くなりました。YMOは時代の中にどう位置づけられるのか。1970年代後半から80年代にかけての彼らの活動は、時代性とどうシンクロしたのでしょうか。「YMOコンプレックス」などの著書がある文芸・音楽評論家の円堂都司昭さんに聞きました。

 YMOとは何か。一つあげるなら、欧米が見た日本人像、そのゆがんだエキゾチシズムを逆手にとり、ジャパノイド(疑似日本人)像を突き詰めた点だと思います。

 日本に関し、「フジヤマ、ゲイシャ」のイメージは欧米に古くからありました。時を経て、日本は自動車や家電を売りまくり、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とおだてられていい気になっていましたが、外から見れば、無表情で不可解な「日本人像」は何ら変わっていませんでした。

 その姿を、YMOは東洋風の…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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