ガンガン外国メディアに声をかけてみた
37の国と機関が集まる大阪G20サミット。それぞれの思惑があるからこそ、ギリギリまで議論が行われ、まとまるものもまとまらなかったりするのだが、果たして各々の「重要課題」は一体何なのか。サミット開幕直前、あえてG7(これらの国の重要テーマは想像がつくので)以外の国々にテーマを聞いてみたら、お国柄が出ていて興味深かった。
エジプトの「経済専門」ニュース番組の美人キャスターはこう訴える
まずはエジプトで夕方放送されている「経済専門ニュース番組」のアンカー・ディーナ=サレムさん。エジプトはAU=アフリカ連合の議長国として招待されていて、「エジプト」として参加しているわけではない。
ちなみに、同様にASEAN=東南アジア諸国連合の議長国としてタイが、APEC=アジア太平洋経済協力の議長国としてチリが招待されている。
ディーナさんも「私はアフリカ連合として参加しているので…」と前置きしたうえで「アフリカのインフラ整備が最重要課題」と訴える。
「アフリカはまだまだ、鉄道も道路も整備されていない地域が多い。特に港湾設備が整備されていない国が多い。港湾設備がなければ貿易も進まない。だから、こうしたインフラ整備の必要性を訴えることが最も重要なの」と語った。
「あえて聞くけどエジプトにとっては?」との問いに対しては「経済よ」と語った。エジプトは観光低迷、貿易赤字などが原因で外貨不足が深刻化。2016年にIMF=国際通貨基金に融資を要請し、その後承認されたのだが「私たちが実感できるような景気にはなっていない」のだそうだ。だから、経済回復がエジプトにとっては重要課題だという。
アフリカもエジプトも広く言えば経済がメインテーマになるのだが、米中の関税戦争に関しては「全く関心がない」とのことだった。
あのアルジャジーラが気さくに答えてくれた
お次は英語とアラビア語で24時間ニュースを流している衛星テレビ局「アルジャジーラ」から派遣された、トルコ人のオマル=カシュラムさん。
アルジャジーラといえば、テロ組織アルカイダの声明ビデオを放送してきた過去から、個人的にはなんとなく怖いイメージがあり、若干、緊張感をもったのだが、話してみればとても気さくなおじさんだった。
アルジャジーラは中東が主な視聴地域になることから「トルコというよりも中東全般にとってだが…」と前置きして出てきたのは、やはり「経済」だった。これこそが最重要課題だそうだ。「トランプ大統領の発言に振り回されている。アメリカ、中国、ロシア、トルコの経済問題が課題」という。そして、これらとは別に、先日ニュースで多くの方も目にしたであろう日本のタンカー攻撃で世界中の注目をあつめた「イラン問題」。さらに、「中東における人権問題」も課題だそうだ。
「あえて聞くけどトルコにとっては?」との問いには「アメリカとの関係が最も注目を集めている」という。現在、トルコはロシアからのミサイル防衛システム導入をめぐり、アメリカから「制裁を科す」と警告をうけている。これを受けて、G20の合間にトルコのエルドアン大統領とトランプ大統領の間で何らかの話し合いが行われるとみられており、この問題がトルコにとっての直近の重要課題だという。
ちなみにたこ焼きとお好み焼きは「食べたけど…微妙」とのご感想。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース