「基幹産業育成資金」をかたる架空の資金提供名目で会社役員から1億3千万円をだまし取ったとして、神奈川県警は11日、無職武藤薫容疑者(66)=東京都港区=ら3人を詐欺容疑で逮捕し、発表した。3人は「GHQ(連合国軍総司令部)の財産をもとにした国家予算外の資金」などとかたり、巨額の資金提供を持ちかけていたという。
県警捜査2課によると、他に逮捕されたのは、東京都中央区日本橋浜町の無職飯田正志(79)と、同あきる野市秋川の無職五十嵐文昭(59)の両容疑者。同課は3人の認否を明らかにしていない。
発表によると、3人は共謀し2017年9月、神奈川県内の70代の男性会社役員に対し、「基幹産業育成資金」を提供できる人物を知っており、交渉のために必要などと言い、現金1億3千万円をだまし取った疑いがある。
武藤容疑者らは男性に対し、国家予算外の資金から2800億円の提供が受けられるなどと説明。男性は17年9月~18年12月にかけて、両容疑者側に交渉資金などとして10回に分け約31億5千万円を支払ったが、その後連絡がとれなくなったという。(林知聡、小寺陽一郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル