団員が楽器を作り、演奏もする――。そんな、世界的にも珍しい「匠の集団」が、コンクールの舞台で躍動し、35度目の金賞に輝いた。
ヤマハ吹奏楽団は全国大会出場41回、金賞34回の実績を誇る名門だが、コロナ禍などもあり、今年は4年ぶりの出場だ。2021年に常任指揮者の佐々木新平さん(40)が就任して初のコンクールでもあった。
佐々木さんが就任直後から特にこだわったのが、音色のバリエーション。「アマチュア楽団の最前を走っている楽団としてさらに発展させ、他の楽団にはない違う世界を見せられる演奏を目指した」という。
4年ぶりの舞台で選んだ自由曲は、長生淳作曲の「波の穂」。元々同団の委嘱で00年に作られた楽曲だ。同年のコンクールでも自由曲として演奏し、全国大会で金賞を受賞した曲を今回、22年ぶりに自由曲に選んだ。佐々木さんは、「再演することで、ヤマハの進化を感じてもらう機会にもなる」と語る。
「『この程度か』の演奏はできない」
一方、4年ぶりの舞台が団員…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル