県内すべての児童・生徒のクラウドアカウントを確保した広島県。どうやって学校のオンライン化を実現させたのか、平川理恵・県教育長に聞いた。【BuzzFeed Japan / 小林明子】
【まとめ】休校になった子どもたちが利用できるオンライン学習・娯楽サービス
新型コロナウイルスの感染拡大による休校の延長で「9月入学」の議論が盛り上がる中、すべての子どもたちがオンラインで学習できるよう、広島県教育委員会が環境整備を進めている。
県内の児童・生徒全員にあたる約30万人分のクラウドアカウントを無料で確保。遠隔授業に必要なPC端末やWiFiルーター整備など、休校中の学習体制整備に関する約10億円の補正予算案が5月1日、県議会の4月臨時会で可決された。
スピード感のある対応ができたのはなぜなのか。BuzzFeed Newsは5月1日、オンライン会議システムを使って平川理恵・県教育長にインタビューした。
“3種の神器“を整備する
ーー多くの自治体の教育委員会や学校が、オンライン授業に二の足を踏んでいますが、広島県ではどのように進めたのでしょうか。
安倍(晋三)首相が3月2日からの一斉休校を要請した後、広島県では10人以下と感染者数が多くない状況が続いていました。
いま学校を開けなければ、いつ開けられるようになるかわからない。開けたとしても、また閉めることになるかもしれない。
そんな思いでしたから、どうすればオンラインの学習環境を整えることができるのか、3月から調査や情報収集を続けていました。
4月6日に学校を再開したとき、真っ先にやったのは、県立高校の生徒たちのインターネット環境の調査です。
「クラウド上の個人のアカウント」「PCやタブレットなどの端末」「WiFiなどの通信環境」ーーこれらを私は、クラウド上に教室を立ち上げるための「3種の神器」と呼んでいます。まず、この3つを整備しなければなりません。
調査の結果、「PCやタブレットなどの端末がない」「WiFiなどの通信環境がない」に該当する生徒がそれぞれ約12%いました。端末あるいは通信環境がない、またはいずれもないという生徒が一定数いたのです。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース