上保晃平
札幌市中央区の北海道立道民活動センター「かでる2・7」で10日、日本会議北海道本部が主催して開かれたシンポジウムに対し、市民団体が「アイヌ民族へのヘイトスピーチに当たる」として抗議活動を起こした。
シンポジウムは「改めて問う! アイヌはなぜ先住民族にこだわるのか」と題し、北海道アイヌ協会が入居する建物内で開かれた。「暴走する『先住民族論』、驚愕(きょうがく)の補助金利用の実態! 気鋭のシンポジストがその闇に斬り込む」として、元道議の小野寺秀氏や札幌市議の川田匡桐氏らの登壇が案内されていた。
ヘイトスピーチに反対する市民団体「クラックノース」の呼びかけで集まった約30人はこの日、会場の建物前で「アイヌ差別は違法」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げてシンポジウム開催に抗議した。
抗議活動に参加した女性は「アイヌ民族の先住性を否定し、過去の個人的な不正をアイヌ民族全体の問題かのように主張するのはヘイトスピーチだ。差別を可視化するために抗議のスタンディングをした」と話した。
アイヌ施策推進法は、アイヌ民族を「先住民族」と明記し、「アイヌであることを理由として、差別やその他の権利侵害をしてはならない」と規定している。(上保晃平)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル