6月に入って、YouTubeに投稿されたあるヒップホップ動画が話題になっている。(浜田理央 / ハフポスト日本版) 【YouTube】ヒップホップ動画(まずはこちらを聴いて) 音楽グループAAA(トリプルエー)日高光啓さんやラッパーの呂布カルマさんらアーティストも、曲を評価する声や、歌われている内容に対して「マジか声も出なかった…」と驚きをツイート。 他にも「コメント欄を見ないで最後まで見てほしい」「ラストが衝撃的…」といった声も上がった。
楽曲の内容は
この楽曲はcrystal-zさんの「Sai no Kawara」。 32歳の男性が、音楽の道から医大を目指す中での、苦労や努力などを歌っている。 図書館で来る日も受験勉強に励んだが、なかなか結果が出ず、その年や次の年も、目標の東京の大学には受からなかったという。 模試の結果も良く、筆記試験ができても面接が超えられず、「年齢のハンデ?夢にさえ思わねぇ。ゴールテープごとずらされるなんて」と歌っている。 男性は最終的に地方の医大を受け、見事に合格する。だが曲はそこで終わらない。 ニュースのナレーション調で「34歳の男性は去年、不合格にされましたが、その後大学側が調査した結果、合格点に達していたことが分かりました」などと流れる。 さらに、録音されたような別の男性の声が「年齢の問題で不合格ということになりました」「不正ではないと思う」と入り、曲が終わりを迎える。 そう。crystal-zさんは、医学部入試で「年齢差別あった」として、順天堂大を提訴した本人。全て、自身に起きた体験を歌っているという。 曲の背景を知った上で聴いてみると、気づくことがある。サビでは、次のようなメッセージが繰り返されている。 「順調じゃなくていいから 天才じゃなくていいから 堂々巡り 巡り 繰り返し 東京 偉大(医大)なこの街」 並べてみると、「順天堂」「東京医大」のワードが浮かび上がる。 ハフポスト日本版は、crystal-zさんに取材した。楽曲にはどんな思いを乗せたのか。寄せられたたくさんの反響に対して、音楽の力を感じたと振り返っている。 「毎日大量に流れてくるニュース全てに共感しようと思ってもそれは難しい。でも音楽なら、懐に飛び込めるんだというのを今回のことで再確認できました」 自分の体験を音楽や言葉に乗せた。そのことで、聞き漏らしたり埋もれたりしてしまいかねない日々のニュースや誰かの発信に、光をあてることができると示しているように思える。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース