北海道・知床半島沖で起きた観光船の水難事故。札幌管区気象台によると、4月23日の事故発生当時、周辺の海水温は5度以下だったとみられる。船内から海に投げ出された場合、急速に体温を奪われて低体温症に陥る懸念を複数の専門家らが指摘した。
「これだけ水温が低いと低体温症になり、おぼれてしまう可能性もある」。一般社団法人水難学会の会長を務める長岡技術科学大学の斎藤秀俊教授はそう語る。
低体温症は、体から逃げる熱が体内で生みだす熱を上回った場合に起きる。一般的に、直腸などで計る深部体温が35度以下になれば体が震えて思考力が低下しはじめ、32度以下で呼吸や脈拍が弱くなり、28度以下になると意識が混濁して危険な状態に陥るとされる。
札幌医科大学の當瀬規嗣(と…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル