新型コロナウイルスの感染拡大で休校が続き、中高生など10代の間で妊娠についての相談が相次いでいる。望まない妊娠を防ぐための選択肢に緊急避妊薬があるが、入手へのハードルが高いという現状がある。 【映像】緊急避妊薬の市販へ要望書 千葉県船橋市にあるシェアハウスでは、10代の少女とその赤ちゃんを主に受け入れている。以前は20代以上の母親を受け入れていたが、新型コロナウイルスの感染が拡大した3月以降、10代から妊娠に関する相談が増えているという。
「休校になっていることで、家にいる時間が長い。親の目が届かない時間が増えて、そういうことに至ることは多いと思う」(NPO法人ベビーブリッジ・熊田ひとみ代表) また、「赤ちゃんポスト」を設置している病院では、4月に10代から寄せられた性に関する相談件数が、過去10年で最も多い592件に上った。
コロナ禍で若年層、特に10代の間で増える“望まない妊娠”。そんな中、緊急避妊薬を薬局でも買えるようにしてほしいという要望書が21日、厚生労働省に提出された。緊急避妊薬は「アフターピル」とも呼ばれ、避妊に失敗したり、性被害に遭った人が性行為の後72時間以内に服用すれば、約80%の確率で妊娠を防ぐことができる。 要望書を提出したNPO法人「ピルコン」の染矢理事長は、この薬の存在自体がまだ一般的に認知されていないと話す。
「(性教育の)講演先の高校生約5000人にアンケート調査をしたところ、講演前の緊急避妊薬の認知率というのは20%ほどだった」 さらに、薬を入手するために「日本はかなりハードルがある」という。 「緊急避妊薬というのはWHOの必須医薬品のリストに入っていて、個人が入手できる金額で入手しやすいものであるべき薬の中に入っている」(同) しかし、日本では医師の処方が必要だ。72時間以内に服用することが望ましいにも関わらず、連休中などに避妊に失敗した場合は病院が開いていないなどの課題がある。
「新型コロナ禍で意図しない妊娠の不安を訴えた方が116名いたが、緊急避妊薬を入手できた人は17%の20人しかいなかった。妊娠の不安を抱えながらもアフターピルにたどり着けない人というのがとても多くいるのではないかと考えている」(同) 一方で、緊急避妊薬は妊娠したかもしれないという場合の避妊方法であり、コンドームなどを使った普段の避妊も重要だという。染矢氏はこの両方について、学校現場で啓発していくことが大切だと話した。 「女性や女の子だけでなくそれに関わっている男性も同じ数いるはずで、社会全体で取り組む必要がある」(同) (ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース