愛知大学野球リーグで4月、還暦間近の部員が念願の公式戦初出場を果たした。リーグ3部に所属する名古屋工業大学2年の加藤文彦さん(57)。「どうしても硬式野球部でプレーしたかった」という長年の夢をかなえ、若手とともに汗を流している。
4月3日、今季開幕戦となった名古屋外国語大学戦で4―0とリードした九回2死、一塁守備で公式戦に初出場した。打者の三振で守備機会はなかったが、「体に当ててでもボールを止めようと思った。新入生が入ってくると(25人の)ベンチ入りの保証もない。一層鍛錬してアピールしていきたい」。気を引き締めることを忘れなかった。
岐阜県内の地方公務員の加藤さんは、夜は同大工学部第2部の物質工学科で学ぶ。少年の頃、言葉をうまくしゃべられない吃音(きつおん)症に悩んだ。「野球は声を出して連係する。声を出しにくい障害があったので中学2年の時に(軟式野球の)部活を辞めてしまった」。進学した岐阜高校は1949年夏に甲子園で準優勝した古豪。「野球部に入りたかったけど、言葉の問題もあったし、性格的にも殻に閉じこもっていた」と話す。
吃音症の症状で「あ」段の文字…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル