甲府市で2021年10月、全焼した住宅から50代の夫婦が遺体で見つかった事件で、事件当時19歳で殺人などの罪に問われた無職遠藤裕喜被告(21)の裁判員裁判が4日、甲府地裁(三上潤裁判長)であった。両親を殺害され、妹もけがを負った長女の意見陳述があり、「何も悪くない父や母、妹を、なぜ」と法廷で自らの口で思いを語った。
10月25日から始まった公判で、長女や次女の供述調書の朗読はあったが、被害者側が直接、自らの言葉で語るのは初めて。11月28日には被告も法廷で動機などを語っていた。
長女は法廷とは別の部屋から参加。被告と接することはなかった。意見陳述は法廷とモニターでつないだ「ビデオリンク方式」で行われた。法廷内には音声が流され、時折紙をめくる音が聞こえた。
「巻き込んでしまった父や母、妹にどう償えば」
長女は「裁判官と裁判員の皆様に私の思っていることをお伝えしたい」と切り出した。
まず、家族を「世界一の父…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル