「姉の死の原因も明らかにされていないのに、最終報告と言えるのでしょうか」。スリランカ人ウィシュマ・サンダマリさん(33)が名古屋出入国在留管理局の施設で死亡した問題で、出入国在留管理庁が最終報告を公表したことを受けて10日午後、遺族が記者会見した。最終報告を「信用できない」と批判した。
代理人の指宿昭一弁護士によると、この日の午前9時半ごろ、入管職員が最終報告を弁護士の事務所に持参し、妹のワヨミさん(28)が受け取ったという。
報告では、入管の職員がベッドから落ちたウィシュマさんを床に寝かせたまま3時間近く放置していたことが明らかになった。ワヨミさんは「こんな汚いことをするため職員は雇われたのですか。いじめだと思う」と述べ、「今回が初めてじゃない。何人亡くなったら、入管は医療体制を変えるんですか。誰が責任をとるのですか」と問いかけた。
亡くなる直前2週間のウィシュマさんの様子が映ったビデオを全部見せるよう遺族が求めたのに対し、入管側は近く、2時間ほどに編集した映像を見せると伝えてきたという。妹のポールニマさん(27)は「時間をかけてでも私たちはすべて見るつもりなので、ビデオを全部、ちゃんと開示してほしい」と訴えた。
2人は「日本の国民のみなさんの協力なしには、この報告書すら出なかったと思う。感謝しています」とも述べ、引き続き真相解明への協力を求めた。
指宿弁護士は最終報告につい…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル