企業に雇われていない「個人事業主」である俳優や声優、音楽家らにも労災保険を適用してほしい――。死傷事故で補償がなかったり、力関係で公にできなかったりする現状を踏まえ、協同組合「日本俳優連合」(西田敏行理事長、約2600人)や公益社団法人「落語芸術協会」(春風亭昇太会長、約300人)などが労災保険の特別加入制度の適用を厚生労働省に要望した。
要望を出したのは日俳連と落語芸術協会、労働組合「日本音楽家ユニオン」、「日本ベリーダンス連盟」、「日本奇術協会」の実演家5団体で、23日に記者会見を開いて訴えた。
俳優や声優、音楽家、ダンサーらもほかの働き手と同様に撮影・実演中の事故でけがや死亡にも至るほか、仕事柄、のどを痛めたり、難聴になったりすることも少なくない。だが、俳優らは会社に雇われている労働者ではないため、原則、労働法制の保護の対象ではなく、国の労災保険も適用されない。
そんな実態を改善するため、個人タクシーなど一部に適用されている「特別加入」の仕組みを実演家にも広げてほしい、と求めている。特別加入の仕組みには、業界団体が立ち上げた事務組合などを通す必要があるが、認められれば日俳連が請け負うとしている。
日俳連によると、所属する劇団…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル