台風15号が直撃した千葉県で、廃業を決める酪農家や養鶏農家が相次いでいる。停電で搾乳できず、強風で施設も倒壊。小規模経営が多く、高齢化や後継者不足といった悩みを抱えていたところに、台風が追い打ちをかけた。
「苦渋の決断だ。まだ牛飼いを続けたかったが、この年齢で大きい投資をするのも……」
農業が盛んな千葉県八街(やちまた)市で乳牛約20頭を育てていた男性(72)は、50年近く続けてきた酪農をやめることを決めた。
台風によって約300平方メートルある牛舎の屋根の一部が壊れ、9日から停電。乳牛の体温を下げる大型換気扇14台が動かなくなり、飲み水に使う地下水をくみ上げるポンプも止まった。
搾乳機も使えなかったが、東京電力は当初、11日までに停電を復旧させるとの見通しを示していた。それまで乗り切ろうと、搾乳できない乳牛の負担を避けるためにえさの量を少なく調整し、水は近くの知人方からバケツで運び込んだ。
しかし、水は必要量の半分ほど…
980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル