体形や体毛など外見のコンプレックスをあおって商品を宣伝するインターネット上の広告動画に、異を唱えた。秋田公立美術大3年の村田葵(あおい)さん(20)は、広告の配信停止を求める署名を4月下旬からネット上で募り、約4カ月で3万筆以上を集めている。
短編漫画のようなストーリー仕立ての広告は、周囲に外見を揶揄(やゆ)される主人公がダイエットサプリや除毛剤などの商品を使用した結果、恋人ができる、などといった内容だ。動画配信サイト「YouTube(ユーチューブ)」で、動画の合間に頻繁に流れる。
こうした広告を初めて目にしたのは高校生の頃。嫌な記憶が呼び起こされた。小学生のときにはふくよかな体形を同級生にからかわれ、中学校と高校では脱毛サロンに通った。
「ダイエットや脱毛を否定するわけではありません。たとえば整形でも、自分のなりたい体になろうとすることは素晴らしいこと。ただ、人を傷つけて商品を売るというやり方に疑問を持っています」
同じように感じる友人の存在が後押しとなり、声を上げてみると、同年代の女性を中心に想像以上に署名活動が広がった。一方でSNSなどでは「広告が嫌なら見なければいい」との批判も少数ながら浴びた。
だが「そういう問題ではない」と反論する。広告を除く行動を意識的に取らない限り、「無意識のうちに(外見を卑下するような)価値観を植え付けられてしまう。特に若い世代は、ユーチューブで価値観が育てられることもあると思う」。自らも小学生の頃からネットに親しんだ世代だ。
活動の根底には、「人々が安心…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル