旧優生保護法のもとで不妊手術を強いられ、憲法が保障する基本的人権を侵害されたなどとして、福岡県の聴覚障害のある夫婦が24日、損害の一部として慰謝料など計2千万円の賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こした。
訴えたのは朝倉彰さん(80代)と典子さん(70代)=共に仮名。訴状などによると、1960年代後半、彰さんが旧優生保護法に基づいて同意なく手術を受けさせられた。同法は、憲法に定められた個人の尊厳や幸福追求権に違反していると主張。「国家が『本来は生まれてくるべきでなかった劣等な生』という烙印(らくいん)を押し、偏見差別を受ける地位に置かれ続けた」と訴えた。
提訴後に会見した典子さんは「子どもが欲しいなと思ったこともありました。悔しい思いでいっぱいです」と手話を通じて訴えた。(角詠之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル