【動画】工事用スロープを通って間近で見られるようになった熊本城=小宮路勝、金子淳撮影
熊本地震で被災した熊本城の大天守が外観の復旧作業をほぼ終え、10月5日から特別公開が始まる。これに先立ち29日には復旧の様子が報道陣に公開された。無残に崩れ落ちた瓦は美しく葺(ふ)き直され、石垣の崩落防止などの安全対策も施された。「復興のシンボル」として着実に歩を進める熊本城の姿が浮かび上がった。
公開されたのは、二の丸広場を起点に、平左衛門丸や天守閣前広場の一部に至る約450メートルのルート。天守閣のうち、大天守は石垣の復旧工事が終了、耐震工事もほぼ完了した。特別公開では復旧作業が続く内部は見られないが、外観を間近で見学できる。小天守は石垣の積み上げが完了。今後は4階部分の瓦の設置や内部の工事などを進め、天守閣全体は2021年度末までの復旧を目指す。
崩落した西大手門跡からは石垣の石材1349個を回収。残っている石垣の前に、金属製の網に石材を入れて積み上げた「組立網(くみたてあみ)」を設置したり、モルタルを吹き付けたりして安全対策を強化している。
熊本城総合事務所の網田龍生所長(55)は「漆喰(しっくい)が白く輝き、お色直しをしたいましか見られない、ピカピカの熊本城です。復旧が一歩一歩着実に進んでいる姿を見てほしい」と話す。特別公開が始まる10月5日は正午から式典が始まり、入園開始は午後1時から。問い合わせは熊本城総合事務所(096・352・5900)。(白石昌幸)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル