大阪府議会が24日に関連議案を可決したカジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐっては、ギャンブル依存症への懸念が根強く残る。これまで府と大阪市はシンガポールを依存症対策の成功例としてきたが、朝日新聞が情報公開請求したところ、同国で人口に占めるギャンブル依存症が疑われる人の割合が一度は低下したものの、その後増加傾向に転じていることをうかがわせるデータがあることが分かった。
府議会は24日、IR関連議案を大阪維新の会、公明党、自民党などの賛成多数で可決した。市議会でも29日に採決が行われる。
吉村洋文知事は2月17日の記者会見で、「対策に正面から取り組むことで、IR導入前より依存症の方が少なくなったという国もある」と述べ、記者団から国名を問われるとシンガポールだと明らかにした。
府と市が1月に開催した住民向け説明会でも、依存症への懸念に対し、担当者が「シンガポールの例を見ても、国を挙げて対策することでIRオープン後に依存症の割合が減っているというデータもある」と回答した。
この根拠となるデータについて、朝日新聞は府と市に情報公開請求した。開示された資料によると、IR推進局はシンガポールの「問題ギャンブル国家評議会」の公表データを参照して、人口に占めるギャンブル依存症が疑われる人の割合を「有病率」と定義し、まとめていた。
その結果、有病率は2008…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル