発熱があり、新型コロナウイルスに感染していないか心配。でも、どこを受診したらいいかわからない――。年末年始で多くの診療所が休みとなるなか、医療機関を案内する24時間態勢の電話窓口には、多くの相談が寄せられている。
大晦日(おおみそか)の午前9時すぎ、愛知県救急医療情報センター(名古屋市中区)は、着信音が鳴りやまない状態が続いていた。
年末年始は最大12人態勢で、県内全域からかかってくる相談者の症状などを尋ね、近くの医療機関に受け入れ可能かを照会。案内を終えて電話を切ると、数秒後にはまた別の電話を受ける。この繰り返しだ。
センターによると、前日は約1150件を受けた。
インフルエンザの流行は見受けられなかったことなどから例年よりもやや減っているが、対応時間は3~4倍になっている。
受け入れ先の院内感染リスクをなくすため、発熱や身近な感染者の有無などを丁寧に聞き取るからだ。「けが」の相談者が自宅で療養中の陽性者の可能性もありうる。
「濃厚接触者? 症状は?」
取材中、無症状の「濃厚接触者」からも電話がかかってきた。
応対した男性スタッフによると、保健所からPCR検査の案内を受けたが2~3日先で「一日も早く受けられるところはないか」「職場に早く届け出たい」と気が気でない様子だったという。
梅村昭治センター長によると、濃厚接触者が保健所の検査待ちの間に不安を募らせたり、その間に症状が出たりして電話してくる例は「どんどん増えている状態」という。
愛知県では30日、1日あたりの感染者が最多を更新したばかり。
感染拡大に行政検査が追いついていない状況が浮かび上がる。
今年は「発熱」を訴える人が目立つといい、中には「36度台だが、平熱より高くて心配」という人もいる。
梅村センター長は「地域の医療態勢を守るためにも、休日急病診療所などには直接向かわず、必ず事前に電話して欲しい。どこに聞けばいいかわからなかったら愛知県救急医療情報センター(052・263・1133)へ」と呼びかけている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル