新型コロナウイルスの影響で日本でも、観光業やイベント運営などの仕事で働く人々に、大きな影響が出ている。そんな中、ビザや言語面などが理由で、より弱い立場に置かれる外国人労働者も、突然解雇されたり、自宅待機で無給になり生活に困窮したりという問題に直面している。【BuzzFeed Japan/冨田 すみれ子】
外国人から労働問題について相談を受け付けている、NPO法人POSSE(東京都世田谷区)に話を聞いた。
POSSEは3月1日から、外国人が新型コロナウイルス関連の労働相談を受け付ける、緊急ホットラインを開いている。
POSSEの岩橋誠さんは「電話とメールで受け付けて、約30件の相談がきました。英語教師の方からの相談が多く、自宅待機で給料未払いになったという相談が多かったです」と話す。
感染予防で英会話教室などが休校になり、その間の賃金が出ない、または観光業関係者で「無収入になった」というケースもあり「生活に困る」との相談があったという。
飲食店で働きながら自分で学費を支払っている留学生からは「死活問題」とのSOSも出ている。
また、製造業の現場では特定の国出身者のスタッフ十数人全員が突然解雇されるといった問題も起きており、適切な対処を取れるように相談に応じているという。
緊急ホットラインの相談は、英語と日本語で受け付け、SNSでも英語とやさしい日本語をつかって呼びかけた。
観光業や飲食業などのサービス業のシフト激減や収入減は、日本国籍を持つ人々の間でも起こっている。しかし外国人の場合、言語の壁などから相談先が少なく、日本の法律の知識も乏しいため、「泣き寝入り」してしまうケースが多々ある。
また、配偶者ビザや学生ビザでなく、就労ビザを得て日本で就労している場合、特定の在留資格が定められているため、シフトが激減しても、申請・承認なしでは他の職種のアルバイトなどに応募ができない。
観光業や英語教師などの職で収入減に直面しても、他の職種のバイトで「食いつなぐ」ことができないということだ。
POSSEは、3月29日にも外国人を対象としたホットラインを開く。
岩橋さんは、「コロナウイルスの影響でシフトをカットされたり、辞めてほしいと言われた外国人からの相談がすでにたくさん寄せられています。仕事や生活上の問題に直面したら、ぜひ気軽に相談してください」と呼びかける。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース