「マスクは何枚もらえるかよりどこにあるかが重要でした」
「これが私のオフィスです。プロジェクターやソファーがあって、オンライン会議はここでやります。いつもは“ソーシャルイノベーションラボ”というバーチャル空間にいて、午前10時から夜遅くまで働いていますね」 タン氏が公務の合間をぬってオンラインイベントに姿を現すと、日本の中高生から「英語が上手ですね!」「公園のようなバーチャル空間、素敵ですね」といったコメントが飛び交う。 早速イベント司会者がタン氏に聞いたのが、「台湾がデジタルの力でどうやってコロナを封じ込めたのか」だ。台湾はわずか3日間で、マスクの在庫がある場所をPCやスマホで確認できるシステムを作った。 「マスクのシステムは、『g0v』(=gov-zero・零時政府)に参加してくれた市民が開発しました。台湾でも当初の3ヶ月はマスクが不足しましたが、市民が持っている健康保険カードを薬局に持っていけば、1人2枚のマスクを配布されるシステムを作りました。ここで重要なのは何枚もらえるかではなく、どこに行けばマスクをもらえるかです。そのために在庫のある薬局が一目でわかるマップをつくったのです」
「私はIT担当大臣ではなくデジタル大臣です」
タン氏は8歳でプログラミングを独自で学び始め、中学を中退して15歳で起業。24歳でトランスジェンダーを公表して改名し、35歳のときに史上最年少でIT担当大臣として入閣した。 この経歴を”会場”で紹介すると、タン氏は「私はIT担当大臣ではなく、デジタル大臣です。デジタルは人と人、ITはマシン同士の関係なので」と笑い、幼少の頃を語り始めた。 「私が幼い時、家にはプログラミングの本が常にありました。私は計算が苦手だったので、プログラミングをやれば、数学のもっと高度な概念を追求できると思ったのです。 »HELLO WORLD »というのが最初のコードネームですね」 14歳の時、なぜ中学校を退学したのか?その理由をタン氏はこう答える。 「私は大学に行って、博士号を取らないと人工知能の研究はできないと思っていました。しかしコーネル大学の教授の論文を読んで感想をメールで送ると、返信にはその教授とコラボできると。そこで中学の校長先生に『もう学校に行く必要がないかもしれない。オンラインで大学の授業に参加して学べるから』と伝えると、校長は『もう学校に来なくていいよ』と(笑)」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース