東京五輪の聖火リレーが23日、大分県に入り、ランナーが初めて九州を走った。日出(ひじ)町では「スーパーボランティア」として知られる尾畠春夫さん(81)=同町=が走り、沿道から声援を浴びた。
23日正午ごろ、尾畠さんは左手をあげて前の走者からの聖火を受け継ぎ、走り出した。トレードマークの赤いはちまきは封印した。
町内の自宅から1時間足らずの由布岳での環境保全活動が原点だ。2004年の新潟中越地震以降は、被災地でも活動を始めた。
東日本大震災で被災した宮城県南三陸町にも長年通い、被災から10年となった今年3月にも訪問。佐藤仁町長とも会い、「いまどれぐらい復興したと思う」と問われ、「やっと一歩だよね」と答えたという。
「海岸線にがれきはないけど、崩れた山もそのまま。まだ4万人を超す人が避難生活を送る。復興はまだまだもいいところです」
東京五輪は東日本大震災からの復興を伝える「復興五輪」を理念に掲げる。「私が走ることは復興には意味はない」と尾畠さん。聖火リレーの依頼を何度か断ったが、十数年前に移り住んだ日出町の人に楽しんでもらいたいと引き受けた。
尾畠さんは走るからには「車…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル