少子高齢化と人口減少が、日本人の生を大きく変えようとしている。やせ細る現役世代が、激増する高齢者を税金や社会保険で支える近未来。政府は高齢者の就労を促し、つじつまを合わせようとしている。これからやってくる「老後レス時代」を私たちはどう生きればいいのか。社会保障に詳しい中央大学教授の宮本太郎さんに聞いた。
――高齢世代がふくれあがり、若い世代にも格差が広がっている。世代間で負担の格差が広がっているように思えます。
「日本では社会保障が人生の後半に偏っており、現役世代への支援が足りないと言われます。支える世代と支えられる世代という二分法で考えると、確かに負担が偏っているように思えますが、それほど簡単に割り切れる話ではありません。例えば、日本の社会保障支出はイギリスやオランダをGDP(国内総生産)比で超えていますが、高齢者の貧困率はそれらの国々より高いのです」
「日本では、社会保障給付約1…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル