10月16日に公開の映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の人気ぶりが、公開前から話題だ。 全国の映画館や劇場では、ファンの期待に応えるべく、通常と比べて上映回数を著しく増やすなどの対応を取った。中でも特にネット上で大きな反応があったのは、地方都市の劇場の上映スケジュール。 『鬼滅』しか上映しない劇場が生まれ、ある問題点が指摘されている。
公開初日、TOHOシネマズ新宿は「驚異」の42回上映
漫画での連載やTVアニメから人気に火がついた「鬼滅」の劇場版。 13日午前0時に販売開始となった公開初日から3日間(16・17・18日)の前売り券は購入希望者が続出。購入サイトに繋がりにくくなるなどし、都内をはじめ多くの劇場で売り切れとなった。 新宿区にあるTOHOシネマズ新宿の上映スケジュールによると、公開初日の16日は、午前7時から深夜午前2時50分の時間幅で42回上映する。 新型コロナの感染防止対策で1席ずつ座席の間隔を開けた対応などを取っているとはいえ、他の作品では近年見ることのなかった、まさに驚異的な力の入れようだ。
地方都市では「異変」。鬼滅しか観られない劇場が出現
今や国民的アニメゆえ「鬼滅」は地方都市でも人気だ。 東京など首都圏と異なり、地方の劇場の上映スケジュールを見ると、公開初日の16日は「鬼滅」しか観られない映画館も出現している。 北海道の「札幌シネマフロンティア」では16日から18日、計62回「鬼滅」のみを上映する。 「鬼滅」公開前日の15日の上映スケジュールを見ると、27作品の上映が予定されていることを考えれば、翌日から3日間これらを全て外すのはまさに異例の対応だ。 ちなみにその中には、公開中で人気の『TENET』や人気アニメ『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』も含まれる。 また、茨城県水戸市のユナイテッド・シネマ水戸も同様の対応をとっている。 劇場側の利益を考えると、客足が伸びる作品や最新作の上映回数を増やすのは戦略として正しいとも言える。 一方で、劇場側が観る人の選択肢まで奪ってしまうとも言える状況に、一部で以下のような批判の声も上がっている。
“「鬼滅を観る人以外は劇場に観にくるなって言われているような気持ちになる」 「公開3日間の劇場ジャック、人気作だから分かるけど普通に他の作品を観たい」 「近所が鬼滅しかやらないとなると、映画を観るために都内に出なくちゃいけない。TENETが観たいので」 「劇場側が利益のことしか考えてない。多様な作品を観られることが劇場の意義だと思う。ちょっとやりすぎでは?」”
ハフポスト日本版編集部
Source : 国内 – Yahoo!ニュース