呼吸器感染症が専門の関西医科大学附属病院の宮下修行医師に詳しく解説して頂きます。
政府の専門家会議が指摘した「オーバーシュート」とは?
【関西医科大学附属病院 宮下修行 医師】
「オーバーシュートとは、まだ見つかっていない新型コロナウイルスの感染者の方が、大規模イベントなどに行って複数の者に集団感染させ、さらに感染した者が別の場所でも集団感染させ、爆発的な感染を生んでしまうことを言います」
【宮下 医師】
「熱などの症状の出ない無症状感染者の方や症状が軽くて自分は風邪だと思われている方がいます。このような人がどれだけ新型コロナウイルスに感染している人がいるか母数がまったくわかっていないのが現状です」
「これが非常に困ったことで、無症状感染者の方も、人にうつすだけのウイルス量をもっているということが分かっていて、どれだけの人に新型コロナウイルスをうつしてしまうのかが全くわかっていません。『どこで、どううつったか』、感染源がまったくわからない、いわゆる市中感染型のものがおそらく潜んでいると予想されます」
「クラスター(集団感染)から出てきた感染者の方ならある程度、見つけて対策を打つことができますが、感染源がわからない人がいるということは、その他にもまだまだ見つかっていない感染者がいるということです」
「だから、まだ見つかっていない感染者の方が、大規模イベントに行って、オーバーシュート、爆発的な患者の急増を生む可能性があるため、政府の専門家会議もこの状況を生まないことが大事だと指摘しているのです」
感染者数の「ある試算」を受け…大阪―兵庫間では往来自粛要請が出ましたが、どう受け止めれば?
【関西医科大学附属病院 宮下修行 医師】
「往来自粛要請についてですが、私は皆さんがこれまで行っている自粛を続けていれば、ここまで最悪の感染者数にはならないと思っています。最悪のシナリオは必要だと思いますが、こういうデータを出されるのは、ひとつのシミュレーションと考えていただいて結構だと思います」
大阪―兵庫間の往来を断つことについては?
【宮下 医師】
「大阪と兵庫の間を往来自粛することについての効果はどこまであるかはわかりません。実際問題として、兵庫に住んでいて大阪に行く人、大阪から兵庫に行く人、どちらもあると思いますが、往来を断たねばならない時というのはいわゆる最悪のパターンの場合です」
「ヨーロッパなどで行われている一定期間の不要不急の外出自粛や移動の制限、いわゆるロックダウンの場合には往来自粛となりますが、それは街を封鎖するレベルの時の話です」
カンテレ「報道ランナー」2020年3月20日放送より
カンテレ
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