2015年9月10日12時50分ごろ、茨城県常総市を流れる鬼怒川の堤防が約200mにわたって決壊。決壊箇所からあふれ出した濁流は、家を流失させながら常総市の3分の1の面積に相当する4000ha(東京都杉並区は3402ha)を浸水させ、住民は避難する間もなく孤立しました。
ヘリで1300人以上が救助
鬼怒川上流の栃木県では前日から激しい雨が降り続き、各地で24時間雨量が500mmを超えていました。常総市は10日未明からいくつかの地区に避難指示を出していましたが、浸水した鬼怒川東地区全域に避難指示が出たのは堤防決壊から18分後の13時8分でした。
避難が遅れて孤立した住民は窓やベランダから助けを求め、ヘリによる救助は1339人、地上部隊による救助は2919人に及びました。人的被害は死者2人、市内の住宅は全壊53戸、大規模半壊1575戸、半壊3475戸、床上浸水148戸、床下浸水3072戸(計8593戸)にのぼりました。
ベランダでタオルを振って助けを求める人、屋根に登って救助を待つ人、車の屋根の上で難を逃れた人たちが自衛隊のヘリやゴムボートで次々に救助されました。電信柱にしがみつくようにしていた男性もヘリに収容されました。
決壊した堤防から流れ出した濁流が住宅を次々押し流すなか、びくともしなかった住宅が目を引きました。流れてきた住宅がぶつかっても耐えたのです。インターネット上でも話題になりました。しっかりした基礎工事をしていた住宅は、流されなかったのです。
防災拠点の市庁舎も浸水
常総市庁舎が浸水したことも人々を驚かせました。東日本大震災(2011年)で大きな被害を受けた築50年の旧市庁舎は解体され、隣接する敷地に新庁舎が2014年11月に完成したばかり。その市庁舎が10日から11日朝にかけて1m以上浸水しました。地面に置かれていた非常電源も浸水したため、自衛隊から電源を借りるなどして情報収集に当たったといいます。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース