きのう始まった、文化庁などの支援をうけて3年に1度開催されている国内最大規模の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」。今、その中の企画展「表現の不自由展・その後」が物議をかもしている。
主催者側によると、「組織的検閲や忖度によって表現の機会を奪われてしまった作品を集め、いかにして排除されたのか展示不許可になった理由とともに展示すること」というのが展示の企画意図だが、かつて美術館でミニチュアの像が撤去された過去もある、慰安婦像を想起させるような少女像などが展示されていることに対してネット上を中心に批判が集まっている。
きょう視察に訪れた名古屋市の河村たかし市長は「ほんとにまあ、ワシの心も踏みにじられましたわ、これ。ということで展示を即刻中止して頂きたいですね」「芸術かどうかは知りませんけど、10億も使っている」とコメント。「これを反日作品だと解釈しているのは市長の側では?」との質問には「なにを言ってるの。誰でもそう思ってるじゃないですか?」と応じた。
菅官房長官も定例会見で「審査時点では具体の展示内容についての記載がなかったことから、補助金交付の決定にあたっては事実関係を確認・精査したうえで、適切に対応していきたい」と質問に回答している。
一方、芸術祭全体の芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介さんも会見を開き、1日だけでテロ予告や脅迫ともとれる内容を含む批判的な電話が200件とメールが500件、きょうもほぼ同数の電話やメールが殺到したと明かした上で、「行政が、展覧会の内容や表現を認めることについて口を出すのは、憲法21条の“検閲“に当たる」「不快になる表現がある事は分かっているが、公の美術館から撤去されてきた事実が議論になればいい」と、改めて展示の趣旨を説明。「また一つ、日本の表現の自由が後退したかもしれない。また今回の騒動がその実証になってしまっていると捉えている状態です」と、表現の自由に対する危機感を語った。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース