新型コロナウイルス感染症の第2波が全国で下降傾向にあるが、冬にかけて再び感染が拡大することが懸念されている。そのような中、BuzzFeed Newsでは新型コロナに関する様々な指標を改めて整理する。報道の中でフォーカスされることが多いのはその日、検査で陽性と確認された感染者数の速報値だ。だが、発症から診断までのタイムラグも存在しているため、こうした速報値だけでは実際の感染状況は見えてこない。では、どのような指標に注目していく必要があるのだろうか。【BuzzFeed Japan/千葉 雄登】
感染者数の速報値も2種類。なぜ、発症日別データが重要?
感染者数にも報告日別、発症日別の2種類が存在する。 基本的に報道の中で大きく取り上げられているのは、検査で陽性と確認された日に各自治体へ報告される報告日別感染者数だ。 だが、厚労省クラスター対策班の押谷仁教授は「(報告日ではなく)発症日別のデータが、信憑性のあるデータ」と8月21日の分科会後の会見でコメントしている。 なぜなら、報告日別の感染者数は事務作業の状況など様々な要因で上下することがわかっているためだ。 新型コロナウイルス感染症対策専門家分科会の尾身茂会長も「報告日ベースのデータは処理の状況で左右される。発症日ベースで見ると、ずいぶんとイメージが違います」と語っている。 あくまで専門家が議論のベースとしているのは発症日別の感染数のデータであることに注意する必要がある。
「実効再生産数」でわかること
感染者数の速報値と同様にメディアを賑わせたのは「実効再生産数」という指標だ。 これは1人の人が何人に感染させているのかを示す指標で、1を下回ることで感染が下火になっていると判断することができる。 この「実効再生産数」は緊急事態宣言発出と解除のタイミングについて理解をする上で鍵を握る。 東京都の実効再生産数は緊急事態宣言の前から、小池都知事の「ロックダウン」「オーバーシュート(感染爆発)」発言を受けて下降傾向にあったことがわかっている。 そのため、「緊急事態宣言は本当に必要だったのか?」という言説が、緊急事態宣言解除後に一部で広がった。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース