宮野拓也、グラフィック=米沢章憲
多くの犠牲者が出た放火事件、乾燥した空気と強風による大火、大規模地震に伴う木造住宅の延焼――。国内でも、様々な要因で大きな被害に至る火災が発生してきた。もし火災に遭遇してしまったらどう行動すればよいのか。普段からどんな備えができるのか。(宮野拓也、グラフィック=米沢章憲)
2019年の京都アニメーションの放火殺人事件は、36人が亡くなる大惨事となった。最も厳しい状況に置かれても、何とか命を守ることはできないのか――。事件後、京都市消防局は負傷者らから聞き取るなどして避難行動を分析、検証し、「火災から命を守る避難の指針」を20年3月に策定した。
大雨や土砂災害は1から5までの警戒レベルが設定され、それに応じた避難行動が求められる。一方、火災には警戒レベルに相当するものがない。そこで市消防局が独自に1から3の「火災人命危険レベル」をつくり、指針に盛り込んだ。火災に遭遇した人自身が自分でレベルを判定し、それに応じた行動を取ることが重要、としている。
「レベル1」は火災は発生しているが、階段には煙がなく、階段で地上、下階への避難が可能な状況だ。「レベル2」は煙で階段が使えない。ベランダから避難器具を使って避難したり、一時スペースへ避難したりするなどして、階段以外からの避難が必要になる。
煙に覆われた それでもできることはある
最も深刻な「レベル3」は…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル