トヨタ自動車は1日、自社が運営するウェブメディア「トヨタイムズ」で、昨年現役を引退したイチローさんの新入社員向けのメッセージ動画を配信した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止した入社式で流す予定だった「サプライズメッセージ」だという。
イチローさんはメッセージの冒頭、トヨタが今年1月に発表した新しい街の構想「ウーブン・シティ」に触れ、「(豊田)章男社長がトヨタという会社のバッティングフォームを変えようとされている」と切り出した。現役時代、毎年のようにバッティングフォームを変え、成績が下がっても常に挑戦してきた自身の経験を踏まえ「前進と後退を繰り返して、少しだけ前に進む。つまり、後退も成長に向けた大切なステップなんじゃないか」と述べた。
また、現役引退後、学生野球の指導に必要な研修を受けた経験から、「指導する側よりも指導される側の方が力が強くなっている。これも時代だからという一言で片付けて良いのでしょうか?」としたうえで、「僕は大変憂慮しています。上司や先輩から教わることには大切なことがたくさんあります。それを謙虚な気持ちで受け止めてほしい」「厳しく指導することが難しい時代に誰が教育をするのか? それは自分自身です」と語りかけた。
トヨタの新入社員は1165人。例年は愛知県豊田市のトヨタ本社で入社式を開き、出席者全員で社歌を歌うのが恒例だが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。トヨタ広報によると、イチローさんがトヨタの新入社員にメッセージを送るのは、2018年以来2回目。
■イチローさんのメッセー…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル