椎木慎太郎
高齢者の詐欺被害を未然に防いだとして、福岡県警粕屋署は27日、福岡銀行粕屋支店の寛野佑莉さん(29)と西日本シティ銀行久山支店の伊藤智未さん(32)に感謝状を贈った。
寛野さんは8月2日、窓口を訪れた粕屋郡の60代女性から「個人にお金を融資したい」と借り入れの相談を受けたことを不審に思った。インスタグラムで知り合った米軍医を名乗る女性が日本に渡航するために必要な465万円を振り込みたいという。寛野さんは優しく語りかけながら、警察官が銀行に到着するまでの30分間、女性を引き留めた。
女性は当初「米軍で働いている方がうそをつくはずがない」と説得に応じなかったが、寛野さんがあきらめずに語りかけると、徐々に聞く耳をもつようになったという。寛野さんは「詐欺被害が身近で起こりそうになったと思うと、怖くなった」と心境を語った。
伊藤さんは8月8日、振込手数料の相談に来た粕屋郡の70代男性の携帯電話のメッセージを見て、特殊詐欺だと気づいた。
メッセージは「5千円を振り込むと3億1450万円分のポイントがもらえる」。伊藤さんは「被害を未然に防ぐよう、これからもお客様へのお声かけを続けたい」と話した。
森下俊郎署長は「署員の力だけで詐欺被害を未然に防ぐのは難しい。銀行やコンビニなど、現場で働く方々の協力があってこそ」と、感謝の意を表した。(椎木慎太郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル