2020年4月と6月。ベビーシッターのマッチングサイト大手「キッズライン」に登録しているベビーシッターの男2人が、子どもへのわいせつ行為で逮捕された。 【画像】目を潤ませインタビューにこたえる経沢社長 逮捕からおよそ4カ月。沈黙を続けていた経沢香保子社長が、ついに島田彩夏アナウンサーの取材に応じた。 【前編】わいせつシッター相次いだキッズライン なぜ社長は沈黙し続けたのか?
見守りカメラ導入は「強く言える立場にはない」
――現役男性保育士のてぃ先生が以前「見守りのためにカメラを導入したらどうか」と経沢社長に提言したが、コストがかかるのでできないと言われたと話していました。 経沢氏:
(あのようなカジュアルな食事の場で)カメラについての経営判断を私が語るということはないと思います。 これまでの口調とは違い、少し語気を強めて語った経沢社長。 経沢氏:
マッチングサイトに関しては個人と個人の意思なので、これまでも推奨はしていましたが、強く言える立場にはありません。 としながらも事件後、監視カメラの本格導入に向けた取り組みとして、モニターテストを実施。次のように説明した。 経沢氏:
今まではどちらかというと、カメラに対してまだ日本人は慣れていない、みたいな空気がありましたが、そういった機運も高まったかと思います。
安価なままでも…マッチングと安心安全の両立に自信
――子供の預かりという点で、マッチングプラットフォームと安心安全は難しい組み合わせなのではないでしょうか? 経沢氏:
全くそうは思っていません。たくさんの方が参加することでデータが蓄積され、他の人が使った経験や実績、顔写真、プロフィールが見えるというのは他にない強みだと思っています。 派遣型とマッチング型はそれぞれメリット・デメリットがあって、私は子供の命をマッチング型が軽く扱っているとは決して思っていません。サポートセンターなどもしっかりやっていますので、利用者が決めていただくことだと思っています。 ――「安心」を高めると研修費、人件費、カメラなどの導入費等もかかってくるでしょうから、マッチング型のメリットである「安価」を保っていくのは難しいのではないですか? 経沢氏:
それはないと思っています。参加する方が増えれば会社としての扱い件数も増えますし、研修システムも充実させられます。 ――オンライン化を進めるキッズラインですが、コロナ禍とはいえシッターに一度も会うことなく採用登録することについては、安全面ではいかがですか? 経沢氏:
現在、それで不満足であるとか、それによって事件が起きたとかというのは一切ありません。オンラインというイメージだけで、面接一回よりもダメだとは私は思っていません。今後、ベビーシッターは日本中津々浦々で必要になってきますので、オンラインを取り入れ、いい採用をすることは非常に重要なことだと思っています。 インタビューの終盤は、キッズラインが進めてきたオンライン化やマッチングプラットフォームそのものの安全性に話が及んだため、経沢社長の声も力強くなっていた。 自身の信念である「ベビーシッター文化を広める」という気持ちは経沢社長の中で揺るぎのないもので、事件後より一層思いは強くなっていることが私には感じられた。 そして最後に、前半の冒頭に書いたシーンが訪れた。もうインタビュー時間もなくなっていたが、経沢社長はこう言って不意に目を潤ませたのだった。 「サービスには自信を持っていますが、今回、こんな痛ましい事件が起きたからこそ社会を変えていきたいという思いが強くあります。性犯罪のデータベース共有など、皆さんにも協力していただけると嬉しいなと思っています」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース