首相補佐官などを務めた外交評論家の岡本行夫氏(享年74)が新型コロナウイルスで死去したことを受け、政界からは8日、惜しむ声が相次いだ。
元東京都知事の石原慎太郎氏(87)はスポーツ報知の取材に、岡本氏に後継者として出馬を打診していたことを明らかにした。2011年、3期で退任を決断していた石原氏は、岡本氏に「都知事になってほしい」と口説いたという。「『やってくれないか』と言ったのだけど、『石原さんと違って私には無理です。務まりません』と言われて、断られてしまった」。最終的に石原氏は出馬し、4選を果たした。
岡本氏は神奈川県立湘南高校、一橋大出身の後輩。かつて、一橋大の教授にも推薦したが、こちらもかなわなかったという。盟友の死に「流動化する世界情勢の中で、素晴らしい仕事を残してきたし、今後の活躍も期待していました。非常に残念です」と悼んだ。
小泉純一郎元首相(78)は、岡本氏を2003年4月~04年3月に首相補佐官に起用。事務所を通じ「訃報を聞き、驚いている。私より若いのに…」と絶句。「ブッシュ米大統領を始め、各国首脳との会談に際して、常に的確な助言を与えてくれた。私にとって貴重な外交補佐官だった。日本外交の専門家としてこれからも活躍してもらいたい貴重な人材を失って残念だ。心よりご冥福をお祈り申し上げます」との談話を出した。
菅義偉官房長官(71)はこの日の記者会見で「突然の訃報に驚いている。これまでの功績に深い敬意を表する。ご遺族に心から哀悼の意をささげる」と述べた。河野太郎防衛相(57)は外相時代に沖縄県の米軍普天間基地問題などを巡り、助言を受けたとし「懇意にしていた方でショックだ」と話した。
◆お別れの会を予定
岡本氏の死因は新型コロナウイルスによる肺炎だったことが8日、分かった。岡本氏が代表を務めていた会社が明らかにした。死去は4月24日。葬儀・告別式は近親者で行うという。喪主は妻・京子(きょうこ)さん。後日、お別れの会を開く予定。
報知新聞社
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