旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の創業者、故ジャニー喜多川氏の性加害問題で、アイドルグループ「忍者」元メンバーの志賀泰伸さん(55)が朝日新聞の取材に東京・六本木のテレビ朝日の施設で性被害を受けたと証言した。
志賀さんによると、1984年春、15歳のときにオーディションに合格した後、毎週日曜の午後、テレビ朝日の敷地内にある3階建てプレハブの最上階にあった「第1リハーサル室」で歌や踊りのレッスンを受けた。
1カ月ほどした日曜、休憩時間に奥にあったトイレに行った。用を足して手を洗おうとしたところ、入ってきた喜多川氏にいきなり、はいていたスウェットズボンと下着を下ろされ、口淫(こういん)されたという。
それまでに「合宿所」と呼ばれる喜多川氏のマンションに招かれ、性被害に遭っていた。「合宿所で体験しているとはいえ、怖くて仕方なかった。ただ目をつぶって、されるがままだった」
喜多川氏が無言でトイレを出て行った後、志賀さんは手を洗い、洗面台の鏡を見ながら、バンダナと自分の髪を直したことを覚えているという。
性被害は18歳ぐらいまで続き、いまもPTSD(心的外傷後ストレス障害)によるフラッシュバックに苦しみ続けている。
志賀さんは「メディア、特にテレビ局はジャニーズ事務所との関係を内部調査ですませるのではなく、第三者委員会を立ち上げて、調査・検証すべきだ」と指摘。「二度と起こらないようにするためには問題を抽出して、具体的な対策をたてることが一番大切だ」と話している。
テレビ朝日は、当時の局の関係者らが亡くなっていることなどを理由に「事実関係の確認は困難」としている。
性加害問題では、NHKが、東京・渋谷のNHK放送センター内のトイレで被害にあったとする男性の証言を報じている。(編集委員・大久保真紀)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル