神村正史
北海道清里町の役場庁舎内で昨年2月、50代の男性職員が自殺した問題で、町は上司だった元課長を1日付で2階級降任の分限処分にした。町が委託した弁護士事務所の調査報告書は、この元課長によるパワーハラスメントが常態化し、自殺の起因となったと指摘している。
町が21日の町議会総務文教常任委員会で報告した。
元課長は今回の分限処分で管理職から主査に降任した。処分について弁明はなかったという。元課長は昨年8月23日付で停職6カ月(昨年9月1日~今年2月28日)の懲戒処分も受けている。
町は処分理由について「ハラスメント予防に対する意識が根本的に欠如していたことにより、悪質なハラスメント行為によって重大な結果を引き起こした。今後、管理職の立場でハラスメント予防に向けた責任を果たすことは困難で、その職に必要な適格性を欠く」と説明した。
この問題では、櫛引政明町長が昨年12月24日の臨時町議会に自らの減給条例案を提案し可決された。櫛引町長は1~6月の半年間減給50%、本松昭仁副町長は同じ期間減給25%となっている。
町議会の調査検証特別委員会がまとめた中間報告書によると、この元課長は、自殺した職員の上司になる前から、特定の職員を標的とした強い言動での叱責(しっせき)や長時間に及ぶ執拗(しつよう)な叱責を繰り返す傾向があり、役場内で周知の事実となっていた。確認できただけでも標的とされた経験のある職員は10人にのぼるという。(神村正史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル