東京都新宿区は6月9日、新型コロナの影響によるネットカフェの一時閉鎖などで行き場を失い、東京都の事業でビジネスホテルに宿泊していた人々への対応に誤りがあり、不適切に退出させたとして、吉住健一区長名の文書をホームページに掲示し、謝罪した。この問題では、新型コロナウイルス問題などで住まいを失った人々を支援する団体が8日、ビジネスホテルに一時宿泊をしていた98人を利用期限前に退出させたとして、新宿区に抗議していた。抗議したのは「新型コロナ災害緊急アクション」。「反貧困ネットワーク」や住まいの貧困に取り組む「つくろい東京ファンド」などでつくる。【BuzzFeed Japan/千葉 雄登】
緊急アクションによると、新型コロナによるネットカフェの一時閉鎖などで住まいを失い、東京都の緊急一時宿泊事業で区内のビジネスホテルに宿泊していた人々に対し、新宿区が5月29日、「ホテル利用は5月31日まで(チェックアウトは6月1日)」と記した文書を配り、98人がホテルを出た。 しかし、文書が配られた段階で都の事業は期間を6月7日まで延長しており、「5月31日まで」とする文書の内容は都の方針と食い違う。また、98人のうち87人のその後の所在は分かっておらず、支援を続けることができないという。そのうえで、新宿区の対応は「意図的な虚偽の説明だ」としている。 一方、新宿区は「生活困窮者の方達に事前に相談に来ていただくために、6月1日付けでホテルから出す措置を行った」と理由を説明していた。
87人の所在が不明に
住まいを失った人への支援を行う「つくろい東京ファンド」代表の稲葉剛さんは一連の新宿区の対応を「不安定な低収入がゆえに、アパートを確保できなかった人々が、困窮してやっと役所につながって支援が始まったのに、これではあまりに無責任すぎる」と批判。 新型コロナ災害緊急アクションとして、以下の3点を新宿区に求めていた。 (1)区長としての公式見解を発表すること。利用者への謝罪、再発防止のための検証の実施すること。 (2)電話、メールなど連絡先がわかる利用者に対して、早急に所在確認を行い、ホテルの再利用含む居住先の緊急確保、今後に向けた生活相談、活用できる施策の提供案内などを早急に実施すること。 (3)東京都が定める新規利用者の締め切り日以降、利用者がホテル利用を希望する場合には新宿区が責任を持ってホテルを準備すること。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース