名古屋市武田テバオーシャンアリーナで行われた世界ボクシング機構(WBO)フライ級王者田中恒成選手の2度目の防衛戦は、指名挑戦者の同級1位ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)から計4度のダウンを奪った王者が、7回2分49秒、TKOで勝利した。24歳の田中の戦績は14戦全勝(8KO)となった。「スピードと重いパンチの融合」を狙って試合に臨んだ田中恒成の戦いぶりを、写真とともに振り返る。
挑戦者ゴンサレスは、速さを生かし手数を出しては足を使うスタイル。ロープに詰まってもなかなかつかまらない。1回、2回、田中はプレッシャーをかけながら前に出るが、細かく連打を放っては下がる挑戦者に手こずった。ゴンサレスは、しっかりポイントを取り来ているように見えた。田中はリズムに乗り切れていない感じだったが、3回に入ると、右ボディー1発でゴンサレスから最初のダウンを奪った。
しかし4回にはコーナーに追い詰めたところでゴンサレスの左フックを耳の下付近にもらい、ダウンを奪い返される。5回には再びゴンサレスがスピードを生かした手数でポイントを奪うボクシングを展開した。
6回、田中は距離を詰め、再び強打がボディーをとらえた。ゴンサレスが少し苦しそうな表情をみせた。
7回に入ると左右の強打をボディーに放ち続け、3度倒した。3度目のダウンの後、立ち上がったところでレフリーが試合を止めた。
試合後、夏の甲子園で4強入りした母校の岐阜・中京学院大中京高が七回に逆転勝ちしたことにかけ、自身の7回TKO勝ちを「たまたまだけどよかったです。あやかりました」と笑顔で話したが、試合内容には不満げだった。スピード対決での決着でなかったからだろう。しかしスピード重視になるとパンチはどうしても軽くなる。今回はボディーショットのパンチ力が勝負を決めた。フライ級での統一戦や4階級制覇、この先のビッグマッチが楽しみだ。(敬称略、構成、共同通信=川崎経大)
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