高絢実
プロ野球中日ドラゴンズの選手が、通算100セーブを達成した同僚の外国人投手に対し、「亡命、ダメ、ゼッタイ」の文言をあしらったケーキを渡していたことがわかった。SNS上では、人権意識を批判する声が上がっており、中日球団側は朝日新聞の取材に対し、「選手の中ではシャレだった」などと説明している。
ケーキには似顔絵と「祝100セーブ」の文字のほか、「亡命、ダメ、ゼッタイ」と描かれていた。キューバ出身で中日のジャリエル・ロドリゲス投手(26)が3月、米大リーグ球団との契約を目指して亡命したと海外メディアで報じられていた。
中日球団広報部によると、投手陣が5月7日、前日の試合で通算100セーブを記録した同じくキューバ出身のライデル・マルティネス投手(26)に対し、お祝いとしてケーキを用意したという。
これまでも選手の誕生日などを選手間で祝うことはあったという。球団側は今回の文言が入ったケーキが渡されることを事前に把握していなかったとしている。広報担当者は「選手の中ではシャレで、『これからも一緒にがんばろうね』とやった」と説明した。マルティネス投手の反応については「近くには通訳もいて、ライデルもシャレとわかって納得してよろこんでいた。シャレというかユーモアというか、理解していると思う」と話す。一方で、「シャレだとしても今後気を付けた方が良い」とも話した。
ケーキを持って記念撮影する選手たちの写真が報道され、ツイッター上では、「どんな人権感覚をしているのか」「ジョークで許される言葉ではない」などといった批判的な意見が殺到している。(高絢実)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル