栃木県小山市西城南の無職、菅原曹枝(すがはら・ともえ)さん(86)が自宅で絞殺体で発見されてから2日で1週間。菅原さんは居間の背もたれのあるイスに座った状態で発見され、後ろから首を絞められたとみられる一方、抵抗した形跡がないことから県警小山署捜査本部は顔見知りの犯行の可能性があるとみて捜査を続けている。しかし、長年、独居だったとみられる菅原さんの交友関係や日常生活を把握するのは難しく、捜査が長期化する可能性も出てきた。
先月25日昼ごろ、茨城県に住む90代の友人男性が、菅原さんに電話が通じないことを不審に思い、菅原さんの自宅を訪れたところ遺体が発見された。司法解剖の結果、菅原さんの死因はひも状のもので首を絞められた頚部(けいぶ)圧迫による窒息死と判明、県警は殺人事件として捜査を始めた。
遺体発見時の状況にはいくつかのポイントがある。それは、(1)背もたれのある椅子に座った状態で発見(2)首以外に目立った外傷がない(3)争った形跡がない(4)自宅内の現金や金庫が手つかずで荒らされた形跡がない(5)玄関が無施錠-などだ。現場からは菅原さん殺害につながる凶器は発見されなかった。県警は発見時の状況から、菅原さんが顔見知りを自宅に招き入れた後、殺害された可能性が高いとみている。
一方、被害者が独居の高齢女性だったことが、捜査を難しくしている。以前はダンスやフィットネスクラブでのスポーツを楽しむなど、活発な生活を送っていたとされるが、昨年、脚をけがしてからは、買い物程度しか外出をしていなかったとみられる。
ある捜査関係者は「交友関係が薄かったようだ」と漏らしており、捜査本部は親族や知人への聞き取りを進めているが、有力な手がかりは得られていない。自宅に配達された25日の新聞朝刊が取り込まれていないことから、菅原さんは24日夜から25日未明に殺害されたとみられるが、この間の自宅周辺の不審者・車両の情報もないという。
また、自宅に荒らされた形跡がないとはいえ、捜査関係者は「『タンス預金』があったら盗まれていたとしても分からない」とも語る。有力な手がかりが浮上していない今、捜査本部は、見ず知らずの物取りの可能性も捨てていない。(根本和哉)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース