2歳年上の兄は独特ながら、妹思いの人だった。
妹が幼稚園に入園すると、なじめているかと人一倍、心配した。何度注意されても自分のクラスを抜け出し、妹の様子を見にいくことをやめなかったため、妹が兄のクラスに編入された。
人付き合いは不得手だったが、幼いころから虫や動物が大好きで、図鑑ばかり読んでいた。
獣医師を目指したこともあった兄、松本小市郎さんは熊本県の職員になると、やがて県畜産研究所に配属された。
2013年からは、研究用に飼育している豚のエサやりやフンの清掃、体重測定のほか、豚舎の維持管理にもあたっていた。
その2年後のことだった。首のリンパ節に腫瘍(しゅよう)ができ、15年1月、摘出手術を受けた。
聞き慣れない細菌の名前、いつも通りの様子から一変
そんなときでさえ、持ち前の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル