中山直樹
交通事故に関係した刑事裁判で無罪が確定した福岡市の女性(45)が、無罪確定後も継続した運転免許の取り消し処分を無効にするよう福岡県に求めた訴訟の控訴審判決が26日、福岡高裁であった。高瀬順久裁判長は「処分の根幹に過誤がある」として一審・福岡地裁判決を支持し、女性側の主張を認めた。
判決などによると、2017年2月、女性の軽トラックと原付きバイクが衝突。女性は自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の罪に問われたが、裁判ではバイクが急に割り込んできた可能性もあるとして女性の過失を認めず、女性の無罪が確定した。
一方、福岡県公安委員会は「刑事処分と行政処分は別」などとして無罪の確定後も女性への免許の取り消し処分を継続していた。
女性は20年7月に行政訴訟を起こし、福岡地裁は23年3月に女性の訴えを全面的に認め、県側が控訴していた。判決後、女性は会見し「取り消しから約6年も経っている。県には素直に誤りを認めて謝罪してほしい」と話した。(中山直樹)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル