アパートの自室で女性を殺害したとして、殺人容疑で再逮捕された橋本貴彦容疑者。一連の事件では生活保護を受給していた橋本容疑者の担当ケースワーカー、京都府向日市職員の余根田渉(29)と図越(ずごし)幸夫(52)の両被告が死体遺棄罪で起訴されたが、橋本容疑者は余根田被告を日常的に脅すなどして、主従関係を構築したとみられている。しかし、市はこの異常な関係を把握できず、組織的な対応も取れていなかった。専門家は事前に気付けなかった市の対応を疑問視している。
市によると、橋本容疑者は余根田被告に、威圧的な言動や長時間の電話などを繰り返していた。余根田被告は「ケース記録」と呼ばれる日誌に保護費の増額要求や威圧的な態度、長時間の電話がかかってくることを書き込んでいた。
向日市も橋本容疑者が「処遇困難ケース」に該当すると判断。家庭訪問の際は基本的に2人態勢を取るなどの対策を取っていたが、余根田被告の勤務態度に変化がなかったことから、担当を交代させなかったという。市は「問題はないと思っていたが、結果としてこのような事件が起こってしまった。なぜ異変に気づけなかったんだろうという思いだ」と話す。事件を受け、市は今月1日から生活保護の窓口に警察OBを配置したという。
元ケースワーカーの関西国際大の道中隆教授(社会保障論)はケースワーカー時代の経験談として、「威圧的な言動を受けることは頻繁にあった」とし、「そのような受給者には来庁してもらい、複数の職員で対応すればトラブルは防げる」と話す。そのうえで「組織としての対応ができていないと感じる。警察など関係機関との連携が取れていないのが致命的だ」と指摘した。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース