ジャーナリストの伊藤詩織さんは6月8日、Twitterに投稿されたイラストなどが名誉毀損に当たるとして、漫画家のはすみとしこさんら3人に計770万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。 訴状によると、はすみさんは2017年6月~2019年12月、元TBS記者の山口敬之さんから性行為を強要されたと訴えていた伊藤さんを「枕営業」などと揶揄したり、被害経験などを綴った著書『BLACK BOX』について「デッチあげ」と侮辱したりする内容のイラスト作品など、5本の画像やテキストをTwitterに投稿。伊藤さんの名誉を傷つけたとして、慰謝料など550万円と投稿の削除、謝罪の掲出を求めている。 また、はすみさんとともに訴えた都内在住の医師ら2人に対しては、はすみさんの投稿をリツイートすることで伊藤さんの名誉を傷つけたとして、「リツイートの行為主体としての責任を負うべき」だと指摘。それぞれ慰謝料など110万円と投稿の削除を求めている。
はすみさん「風刺画はフィクション」
元TBS記者の山口敬之さんからの性暴力被害を訴えていた伊藤さんは、2019年12月に東京地裁で開かれた民事裁判で勝訴した。山口さんは控訴している。 判決後の記者会見で、自身への中傷やセカンドレイプについて「法的措置を考えている」と明言。「性暴力サバイバーに向かうネガティブな声をウェブに残してしまうこと自体が、いろんな人を沈黙させてしまう理由になる」と理由を説明していた。 一方、はすみさんは一連のイラストについて、自身のTwitterやYouTubeなどで「風刺画はフィクション」「伊藤さんとは無関係」と主張している。 判決があった2019年12月には、「『山ロ(ヤマロ)沙織~オシリちゃんシリーズ(計5作品)』の風刺画はフィクションであり、実際の人物や団体とは関係がありません」として、イラストなどの投稿を削除する意思がないことをTwitterで表明していた。(この投稿も伊藤さんは今回の提訴で削除を要求している) 訴状では、イラストの女性の顔立ちや髪型が伊藤さんに酷似していると指摘。女性が手にしている本の装丁や「CLAP BOX」というタイトルが伊藤さんの著書を連想させるなどとして、「(イラストの)女性と伊藤さんを同定することは容易に可能」と主張している。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース