栃木県真岡市の認定こども園「真岡ひかり幼稚園」で6月ごろ、23人が在籍する2歳児のクラスで、30代の保育教諭が指導の際、園児に「死んでしまいなさい」「邪魔だ」「うるさい」などと、乱暴で不適切な言動をしていたことが31日、分かった。乱暴な言動をしたとされる30代の主担任と副担任の保育教諭2人は既に退職しており、保育補助1人も自宅待機している。
今回の件は、24日に真岡市役所を訪れた保護者の女性2人が、保育課に匿名で「幼稚園で不適切な指導がある」と告発したことで明らかとなった。宇南山照元(うなやま・しょうげん)園長(50)は、日刊スポーツの取材に「歯ブラシを口に入れている時に、立ったり座ったりしたり、歩いている子供がいたので主担任が『危ないから。死んじゃうよ!』と言った、その延長線上で『死んでしまいなさい』と言ってしまった」と説明。その上で「一生懸命、真っすぐに指導しようとしたあまり、言葉が強くなってしまったが、指導する者として、そこまで言ってしまっては、まずい」と不適切な指導があったことを認めた。
また、子供が教諭の話を聞かなかった際、保育室の隣の教材室に数分、入れたという。あくまで、子どもたちにしっかり言って聞かせるための措置だったというが、教材室は暗く、宇南山園長は「教材室は鍵もかかっていないし、簡単に入ることは出来るが、子どもたちに怖い思いをさせた」と、指導に行き過ぎた面があったと認めた。
主担任と副担任の今回の指導について、園は弁護士、社労士を交え話し合った結果、就業規則における懲罰規定を踏まえ、懲戒事由に当たると判断。退職だが、実質的な懲戒解雇となったという。また自宅待機している保育補助1人は、2人の教諭に誤りを指摘できなかったことに自責の念を抱いているという。自宅待機が、いつまでになるのかは未定だという。
今回の件のもう1つの問題は、2歳児のクラスで起きていた事態を園として把握できておらず、知ったのは24日に保護者の告発を受けた真岡市保育課から呼び出された時だったことだ。園では、各学年の主任を中心に保育計画に基づき毎日、話し合いを行って園児の指導に当たっているが、今回は主担任、副担任が一緒に1つのクラスを指導していたこともあり、事態の発生が園内で認識、把握できていなかった。
園は27日に2歳児のクラスの保護者、29日には園の保護者全体に対して説明会を開き、謝罪した。一方、真岡市は栃木県と連携し、合同で事実確認の調査を始めた。宇南山園長は「私も驚きましたし、もちろん、心が痛む。再発防止はもちろんだが、まず最初に(暴言を受けた)園児と保護者のことを考えたい。当該家庭に寄り添い、カウンセリングを含めたケアもしたい」と話した。【村上幸将】
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