今年度から始まる大学入学共通テストで英語の民間試験の活用などが見送られたことを受け、文部科学省が設けた「大学入試のあり方に関する検討会議」が14日、ウェブ上で開かれた。現役の高校生が初めて参加し、「さんざん振り回された」などと厳しい声が上がった。
山口県立岩国高校3年の幸田飛美花さんは、英語の民間試験活用について「詳細を当事者に早い時期に知らせるべきだった。(共通テストの)初年度の受験生がさんざん振り回された」と振り返り、「民間試験は活用すべきだと思うが、経済的・地理的事情を考えて。地方の受験会場を増やしてほしい」と訴えた。
東京都立西高校3年の米本さくらさんは、見送りになった国語と数学の記述式問題導入について「採点の公平性に疑問。思考力を単純に測れるのか不信感が大きかった」とした上で「入試が教育のゴールではなくなることを期待します」と委員らに求めた。委員から、事前に高校生の声を聞くべきだったかと問われ「入学後に試験が変わると言われた。今の高校についてアンケートをとるだけでも違ったと思う」と話した。
会議は1月から始まり今回で7回目。委員から高校生の意見を聞くべきだと意見があり、若者の声を政治に届ける学生らの団体「日本若者協議会」が2人を推薦した。2人に先立ち外部有識者として意見を述べた東北大の倉元直樹教授は「大切なのは来年度入学の生徒をロストジェネレーションにしないこと。入試改革に翻弄(ほんろう)され、コロナが襲っている。仕方がないでは済まない」と訴えた。(伊藤和行)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル