東京駐在のカンテレ記者が、キーパーソンに取材するWEB特別レポート。 前総務大臣・衆議院議員の高市早苗氏。
奈良2区選出で、自民党の政調会長など要職を歴任。第2次安倍改造内閣で総務大臣に就任すると歴代最長となる約4年、大臣を務めました。
前編では「受信料の高止まり」や「営業経費の高止まり」…そして「放送波の肥大化」など、4年に及ぶ総務大臣としての経験から、NHK改革の課題を指摘した高市氏。 後編では「放送法の改正」まで視野に、NHK改革を通じた「インターネット時代における放送の未来」を訊いた。
子会社との「随意契約率」 90%超で推移
(前編から続き)
これが5つ目の課題ですが、NHKの「肥大化」として批判されている子会社や関連会社を含めた「グループ経営改革」が不十分だということです。
私が大臣在任中に歴代NHK会長に対して改善を求めてきたことは、「適切な業務範囲の見直しをすること」「子会社における適正な経営及びコンプライアンスの確保」「NHK本体と子会社・関連会社との取引における透明性と適正性の確保」「NHKは子会社に多額の出資をしているのだから、子会社の利益剰余金のNHK本体への適正な還元を実施すること」の4点でした。
現在、NHKの「子会社」は11社、「関連会社」は4社、「関連公益法人等」は9団体あります。NHKはこれらの子会社や関連会社との「随意契約率」が高いんです。 2019年度は、93.5%でした。近年は、90%超で推移しています。より安価に外注できる業務も多くあるはずだと思います。
NHKグループ全体の人員数は2020年度で10343名ですが、子会社や関連会社の業務内容を一覧しますと、「NHK本体では、一体何の業務をしておられるのか」と不思議になるくらい、多様な業務が展開されています。 業務の「分割ロス」に繋がりかねない細分化された子会社・関連会社の構成についても、大胆な改革が不可欠だと思います。
これまでにも、子会社数を減らすために合併した例はありました。 2019年4月1日には、「NHKアイテック」と「NHKメディアテクノロジー」が合併し、現在の「NHKテクノロジーズ」になりました。 2020年4月1日には、「NHKエンタープライズ」と「NHKプラネット」が合併して、現在の「NHKエンタープライズ」になりました。 自ら合併効果を検証して下さった前田会長によりますと、過去の子会社合併では、給与が高い方の会社に合わせて合併後の会社の従業員の給与が高止まりするなど、単純に子会社同士を合併するという今までの手法では、時間とコストがかかる割に統合効果が発揮されていなかったということでした。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース