山間部では復旧が手つかずの場所が多く残る
台風19号により大きな被害を受けた宮城県丸森町では、中心部のインフラなどの復旧は進んでいるが、山間部では手つかずの場所も多く残っている。中心部との復旧の差に不安を訴える住民もいる。
10人が死亡、今も1人が行方不明となっている丸森町。1ヵ月が過ぎ、ライフラインの復旧や住宅再建に向けた動きなど、少しずつ復興の動きが見えてきた。しかし、山間部ではいまだ「手つかず」の場所がある。町役場から西に6キロ離れた丸森町耕野地区。
佐藤雄一さん:
ここまで土砂たまったのが、2回目の土砂で押し出された
耕野地区に住む佐藤雄一さん。佐藤さんの自宅は、大規模な土砂崩れの被害を受けた。
10月12日の夜は、「取り残された」という不安があったという。
佐藤雄一さん:
12日の夜、自衛隊と消防が「向かったんですけども、道が寸断して、前に進めなくて戻りました」という連絡を受けて、「あぁもうだめだ、残されてしまった」と一旦あきらめた
不安な夜を過ごし、翌日救助された佐藤さん。その後、自宅の復旧に向けて町に手助けを求めたが、「後回しにされた」と感じている。
佐藤雄一さん:
とにかく人口の多い町を集中的に復旧を急がなければならないという状態で、地元の設備屋さん、業者さんも、向こう(中心部)の手伝いに行って「地元の困りごとは自分たちでやってください」という風に聞こえる
復旧を手助けしてくれるボランティアも、町のボランティアセンターは「山間部は危険な場所が多く、2次災害の危険があるため要請があっても行けない」という。
佐藤雄一さん:
日中は周りを見て、何とかやらなければいけないなと思うんですけども、夜になると心細くなって、これからどうすればいいんだって悩んで。夜はそう感じる
避難所から約2時間半かけ自宅を掃除に
不安を感じているのは、耕野地区だけではない。
福島県との県境に位置する丸森町筆甫・北山地区に住む池田純一さん。池田さんは毎日、土砂崩れの被害にあった自宅の掃除をするため、避難所から歩いて通っている。
集落への道は閉ざされたまま…
避難所から自宅までは約2時間半と、道が使えたときと比べ、倍以上の時間がかかる。
池田純一さん:
疲れる。仮設住宅を町で建てると言われて申し込みしてるけど、果たしていつになるか
池田さんの自宅を始め、地区内の多くの家は住める状態で、今は何よりも「道路の復旧」を求めている。
池田純一さん:
電気も通っているし要は道路。せめて軽トラックが走れるくらいの道路を作ってもらえば、みんな家に帰って生活できるし、11月だからせめて正月くらいは自分の家で迎えたい。これはみんなそう思ってる
同じ町の中でも見え始めた復旧の差。
新たな課題になりつつある。
(仙台放送)
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