「残念ながら、今年入社した人も……」。アニメ制作会社「京都アニメーション」の社長は、言葉を絞り出すように無念さを語った。同社のスタジオが放火され、34人が死亡した事件。容疑者の男は、過去にたびたび近隣トラブルを起こしていた。
重篤な状態が続く青葉真司容疑者(41)は、茨城や埼玉で住居を転々とし、各地でトラブルを重ねていた。身柄を確保された直後、「小説を盗まれたから放火した」という趣旨の説明をしたというが、同社の八田英明社長は「何を言っているのか分からない」と話しており、遠く京都へ向かった理由ははっきりしない。
青葉容疑者は2010年ごろ、ハローワークのあっせんで茨城県常総市の築約30年の集合住宅に単身で住んでいた。管理人の男性(70)によると、月約4万円の家賃はほとんど滞納していたという。男性が家賃を徴収するために部屋を訪ねても無言でドアを閉められ、「ぶぜんとした様子だった」と当時を振り返る。
遅くとも12年春ごろには、毎週のように近隣住民と騒音トラブルがあったという。深夜の決まった時間に目覚まし用のベルが鳴り響き、壁をたたく音や、わめく声が聞こえることもあったという。
警察官の立ち会いで、部屋に入…
980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル